【まとめ】技術士 総合技術監理部門 受験対策

学習ノート

こんにちは!コタローです。

昨年、技術士総合技術監理部門に挑戦し、現在は3月の合格発表を待っております。

不合格時の次年度試験への再チャレンジに向け、これまで検討してきた受験対策を整理しました。

コタロー
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【追記】無事、合格しました!

応援いただきました皆さま、ありがとうございます!

ブログやTwitterへアクセスいただいたことが非常に励みになりました。

引き続き継続研鑽に努め、その内容を本ブログに定期的にアップしていきますのでよろしくお願いします!

本記事の概要
  • 技術士総合技術監理部門の受験対策の全体像がわかります。
  • 年間を通して、各時期にどのような対策を取ればよいかわかります。
  • 総監技術士に初挑戦の方、再戦の方のどちらにも役立つ情報となるように心がけ整理しています。
コタロー
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総監技術士 受験対策のまとめ記事です!

網羅的に記載しており長い記事となっておりますので、目次から興味のあるところを選んでご一読いただければ効率的かと思います。

【常時実践】総監技術士としての継続研鑽

技術士総合技術部門は非常に難易度が高い試験です。

チャレンジの前提として、受験対策だけで何とかなるような試験ではありません。

このことを受け止め、日頃から総監に必要な力を習得するように業務内外で継続研鑽することが合格への近道だと考えています。

総監技術士に関する理解の深化

総監技術士としての継続研鑽をするためには、まずは「総監技術士とは何なのか?」「一般技術士と何が違うのか?」ということを理解する必要があります。

総合技術監理部門が必要とされる背景や求められる要件に関しては、文科省発行の総合技術監理部門キーワード集に整理されており、これが拠り所となります。

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キーワード集を読み込むことで理解が深まります!

以下の記事でも簡単に紹介していますのでご確認ください。

日頃の業務での実践

総合技術監理の技術体系と範囲

 総合技術監理の技術体系として骨格となる管理技術は、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理の5つである。(中略)

 総合技術監理は、業務全体を俯瞰し、これらの5つの管理に関する総合的な分析・評価に基づいて、最適な企画、計画、実施、対応等を行う監理業務ということができよう。

と、キーワード集に記載されています。

この5つの管理技術を日頃から意識して監理業務に取り組むことは、特に口頭試験対策として非常に効果的です。

また、そもそも試験対策とは関係なく自身の業務品質向上に大いに役立ちます。

5つの管理技術の実践(目的や取り巻く環境に応じて重要度や優先順位を判断)、管理技術間のトレードオフの調整・解決策の提示、プロフェッショナルとしての高い倫理観の維持などを業務に取り込みアウトプットしていくことが必要です。

業務外での継続研鑽

日頃の業務でアウトプットすることで総合技術監理の力が鍛えられますが、新たな管理技術のインプットも必要。そのためには、業務外での継続研鑽が重要です。一般的にいうと自己啓発ですね。

一方、総合技術監理の管理技術の範囲は壮大で、すべてを学ぶのは不可能に近いです。

状況に応じて5つの管理技術をバランスよく組み合わせたり優先順位をつけたりする必要があるので、各管理技術の中から強化したいテーマを選定して学んでいくのが良いと考えています。

管理技術の中には、以下の例のように他の資格試験の学習で深く学べるものもありますので、並行してチャレンジするのも効率的かもしれません。

総合技術監理部門で必要な管理技術の理解を深めるのに役立つ他の資格例

経済性管理「財務会計」

→ 日商簿記検定3級、ビジネス会計検定3級
人的資源管理「労働関係法」

→ ビジネス実務法務検定3級
情報管理「情報通信技術動向」

→ 基本情報技術者、応用情報技術者

(参考)技術士法第47条2 技術士の資質向上の責務

総合技術監理部門に挑戦される方のほとんどは他の20部門の技術士かと思います。

技術士法では

技術士は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。

技術士法第47条 2

とあり、全ての技術士に「資質向上の責務」が課せられています。

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技術士の3義務2責務(信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、公益確保の責務、名称表示の場合の義務、資質向上の責務)のうちの1つですね。

技術士、合格してからもなかなか厳しいです!笑

【受験対策】タスク・年間スケジュール

前章では受験対策とは別に、常時実践すべきことを紹介しました。
この章では、年間スケジュールにそって受験対策・タスクを整理していきます。

技術士 総合技術監理部門 受験スケジュールの全体像

総監技術士の受験は、1年間にわたる長丁場。
簡単なガントチャートで表現すると以下のようなものになります。

なお、上記のスケジュールは2021年12月に作成したものです。主要イベントに記載の日付は、公式サイトで最新情報をご確認ください。

<1,2月>次年度受験計画

出願、筆記試験、口頭試験と長い試験ですので、まずは計画を立てることが重要です。

大まかな計画は上記のガントチャートでカバーできると思いますが、重点的な取組事項は人それぞれかと思います。ガントチャートをたたき台にアレンジいただければ幸いです。

また、この頃には最新の総合技術監理キーワード集が出ていますので、更新箇所の確認をする必要があります。

以下の記事で総合技術監理キーワード集2022の新旧比較を紹介していますのでご活用ください。

<3,4月>出願

4月中頃の出願締切。これが最初のマイルストーンとなります。

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単なる受験申込ではありません!既に試験が始まっています。

以下、出願時のタスクを記載しておりますが試験内容の詳細は日本技術士会HP(リンク)に掲載される受験案内や実施大綱をご確認ください。

試験の全体像の把握(筆記試験・口頭試験の概要把握)

技術士試験は、出願から戦いがスタートします。

受験申込書に記載する業務経歴や業務内容の詳細が、口頭試験での試問材料として用いられるからです。

また、筆記試験のうち記述式問題では、出願時に整理した業務経歴を活用することができます。

そのため、出願時には筆記試験・口頭試験の概要を把握し、それらを意識して出願することが合格への第一歩となります。

以下は口頭試験対策中の記事ですが、試験の全体像の把握に役立つ情報源を掲載しておりますのでご参照ください。

業務経歴の棚卸し

これまでの業務経歴を総監の目線で棚卸ししていきます。

つまり、各業務に対して、

  • 5つの管理技術それぞれでどのような管理技術を活用したか
  • 各管理技術間にどんなトレードオフがあったか
  • その解決策をどう講じて成果をあげたか

といったことを整理していきます。

総監技術士は難易度の高い試験ですので、一発合格できず複数年の取組みとなる可能性が高いです。

そのことも踏まえ、かつ、一発合格の確立を少しでも高めるためにも、業務経歴はExcelなどの一覧表をデータとして作成していくと作業しやすいです。

コタロー
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5つの管理技術の活用と各業務を紐付ける際、総監キーワード集を参照することをお忘れなく!

以下の記事は、口頭試験対策として業務経歴の振り返りについて紹介したものです。申込時に後々の活用イメージをしておく方が効率的・効果的な対策ができますので、ご参照いただければ幸いです。業務経歴の整理に活用できる一覧表のイメージも確認できます。

棚卸しができたら、自分自身が総監技術士としてどのように成長してきたか?という視点で成長プロセスを確認されることをお勧めします。

業務内容の詳細

棚卸しをした業務の中から、総監技術士として最も適した業務を選び、その業務内容の詳細を書き上げていきます。

コタロー
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業務の棚卸しで整理した各業務経歴において、複数の管理技術を活用した業務、管理間のトレードオフを解決した業務を選ぶとよいです。

また、口頭試験で試問されることを想定すると、なるべく最近の業務から選ぶ方がスラスラ回答できるはずです。

ここで書いた内容が口頭試験で試問対象となることが多く、私の場合は口頭試験の9割近くを占めていました。(おそらく出願時の記載内容の出来が悪かったため口頭試験で深掘りされたものと推測…)

総合技術監理をしている様子を限られた字数で伝えることを意識して業務内容の詳細を書きます。

周囲に総監技術士がいる場合は、添削してもらうことを推奨します。

そうでない場合は、インターネット上で探すのも一つの手ですが、自分自身が口頭試験の試験官になったつもりで批判的な目線で内容確認するという方法も一つのやり方かと考えます(私はこの方法でした)。

<5~7月>筆記試験対策

無事に出願を終えれば、次のマイルストーンは7月の筆記試験です。

技術士第二次試験 筆記試験内容 (出典)技術士第二次試験実施大綱

総合技術監理部門の筆記試験は、択一式試験と記述式試験がありそれぞれ50点満点の合計100点満点

合計で60点以上の得点を勝ち取れば合格となります。
 ※他の技術部門の第二次試験とは異なり”合計”60点以上かどうかがポイント

ただ、どちらも難しいので、択一式試験と記述式試験のそれぞれで60%以上を目指す戦略が現実的かと考えます。

なお、総合技術監理部門には上図にもあるように「選択科目」もありますが、他の技術部門の技術士が受験することがほとんどのため多くの場合は免除となります。そのため、本記事では「必須科目」についてのみ記載しております。

択一式試験

択一式問題の概要は以下の通りです。

択一式試験 概要
  • 出題形式:5択の択一式問題40問(出題されるすべての問いに解答)
    • 5つの管理技術の各管理技術から均等に8問ずつ出題
    • 経済性管理→人的資源管理→情報管理→安全管理→社会環境管理の順に出題
  • 試験時間:2時間
    • 十分な時間があるので、時間配分に関するトレーニングは不要
  • 合否基準:択一式問題(50点満点)と記述式問題(50点満点)の合計で60点以上

その他の詳細に関しては、以下の記事をご参照ください。

択一式試験対策の進め方

試験範囲が膨大かつ問題によっては難なく解けるものも含まれている択一式試験。

そのため、まずは過去問を3ヵ年分解いてみて出題傾向および現在の実力を把握されることをお勧めします。

その後、ご自身の強み弱みを把握のうえ65%の得点を目指してキーワード学習を進めていきます。

コタロー
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独立した40問のため通勤中の電車内などの隙間時間でも解けます!

私はスマホアプリ(GoodNotes)に過去問のPDFファイルを保存し、マークを入れながら過去問を解いていました。

ここで、目標を65%と設定しているのは、試験範囲が膨大すぎて時間をかけて対策をしても70%以上の得点を確実に取ることは非常に難しいと判断したためです。

こちらは筆者コタローの過去問および本番での得点推移です。他の受験者情報としてご参考まで共有します。

コタロー
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2020年度は、択一式が55%、記述式も手ごたえなしで筆記試験不合格でした。。

2021年度は、択一式が60%、記述式は望みあるかも、、という感触での合格でした。

(参考)令和3年度過去問(択一式問題)

択一式問題の一部を解説した記事がありますので参考情報として共有します。

コタロー
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安全管理と社会環境管理の記事は、まだございません。。🙏

記述式試験

記述式試験の概要は以下の通りです。

記述式試験 概要
  • 解答用紙5枚に合計約3,000字を解答。
  • 試験時間:3時間30分
  • 合否基準:択一式問題(50点満点)と記述式問題(50点満点)の合計で60点以上

このご時世、1日で3,000文字も手書きすることは普段では経験しないと思います。

試験後は利き手が疲れ果て、来年は絶対受けたくない…という気持ちになります泣

出題形式・解答の流れ

記述式試験では、最初に長い問題文(前文)がありテーマや条件、回答要件などが記載されています。

前文の後に設問が記載されており、解答を記述していきます。

記述式試験では、以下のステップで解答を作成します。

  1. 前文を読みこみ出題内容分析
  2. 出題に沿った論文骨子の作成
  3. 事前準備した材料(自身の業務経歴など)を使って骨子に肉付け
  4. 上記1〜3を1時間程度で仕上げ、残り2時間半はひたすら書く!

考えながら書くと迷走した文章になりがちなので、骨子を固めるところに1時間程度の時間を割り当て頭をフル回転させ、残りの時間は作業時間とすることをお勧めします。

コタロー
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最初の1時間、解答用紙に書く前の準備作業が重要です!

問題用紙の中にある大きな空白スペースを活用して骨子を作りましょう。

記述式試験対策の進め方
業務経歴の再確認

前述のとおり業務経歴を活用して解答を作り上げていくことになります。

そのため、出願時に整理した業務経歴が筆記試験対策としても役立ちます

書く技術のインプット

記述式試験では、採点者に伝わる論理的な文章を書く技術が必要です。

総監技術士の参考書等にある解答例を読み込んで学ぶのも一つの方法となりますが、論理的な文章を書く技術は汎用的なスキルですから一般の書籍でも学ぶことができます。

私が活用している書籍を2つ、参考までご紹介いたします。

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骨子作成のトレーニング(アウトプット)

書く技術を学んだら、次はアウトプットのトレーニングが必要です。

過去問を活用して骨子作成のトレーニングを何度かされることをお勧めします。

私は、テスト対策としては骨子作成までに留め、本番同様の3,000字を書き上げるトレーニングはしませんでした。

本番と同じようにフルで過去問を解くのがベストだとは思うものの、時間効率を考えると骨子作成までのトレーニングの方が重要と捉えてそのようにしております。

試験後の振り返り

ここまでは筆記試験前の対策のことを記載しておりましたが、筆記試験後にも実施すべきことがあります。

口頭試験対策に必要になるため、記述式問題の解答内容を再現しておく必要があります。

人間の記憶は急速に薄れていきますので、可能であれば試験当日、遅くても翌日には答案再現を完了しておくことが望ましいです。

<8~12月>口頭試験対策

筆記試験が終わりますと、口頭試験までは少し時間があります。

筆記試験の合格発表は10月ですが、合格発表を待たずに口頭試験対策をスタートしましょう!

コタロー
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2021年度試験、私は合格発表を紙で受け取るまで口頭試験対策をしませんでした(落ちたと勘違いしていた)。。

短時間で口頭試験対策をする羽目になってしまいましたことが大きな反省点です…

全体像把握・スケジューリング

仕事でもそうですが、計画不在のプロジェクトは難航します。

口頭試験に向けて、改めて試験の全体像を把握して具体的なスケジュールを立てることが重要です。

詳細は、以下をご確認ください。

受験申込書のおさらい・業務経歴の振り返り

続いて、出願時の内容を振り返ります。

概要は以下のとおり、詳細は記事内容をご確認ください。

受験申込書のおさらい・業務経歴の振り返り 概要
  • 受験申込書と口頭試験は直結。申込書に記載した内容を十分に把握して試験に臨む。
  • 総監の視点をおさらいしつつ業務経歴を振り返ることが口頭試験対策に効果的。
  • 業務経歴の振り返りと並行し、口頭試験のQA集を作ると効率的。

筆記試験(記述式試験)の振り返り

次は記述式試験の振り返り。

私は特に試問がありませんでしたが、解答内容に関して問われることがあるようです。このときのためにも、筆記試験後の解答再現は非常に重要です。

概要は以下のとおり、詳細は記事内容をご確認ください。

筆記試験(記述式試験)の振り返り 概要
  • 筆記試験の記述式問題と口頭試験は直結。
  • 筆記試験の出題内容、自身の答案内容を十分に振り返り試験に臨む。
  • 答案内容の改善点を検討しながら、口頭試験のQA集を作ると効率的。

想定Q&Aの作成・トレーニング(模擬試験)

概要は以下のとおり、詳細は記事内容をご確認ください。

想定Q&Aの作成・トレーニング(模擬試験) 概要
  • 口頭試験=頭で考えて口で答える試験。アドリブ対応を減らすべく、想定Q&A集を作成し可能な限り準備をしておく。
  • 受験申込書の業務経歴、筆記試験の記述式問題を踏まえて試問されることは確実(技術士二次試験実施大綱に記載あり)。
  • 「総合技術監理」の試験であることを意識し、総監の視点での回答を準備する。

口頭試験の振り返り

口頭試験が終われば、試験当日の流れや試問事項等を記録に残しておき次年度の再チャレンジに備えます。

詳細は記事内容をご確認ください。

まとめ

本記事では、技術士総合技術監理部門の受験対策について、網羅的に紹介してきました。

目次欄からお好きなところをご参照いただければ幸いです。

参考にマインドマップで作成した本記事の骨子を記しておきます。

コタロー
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ブログ作成のための骨子作成、記述式試験のトレーニングにもなりそうです!

▼オススメの総監対策本です。

▼本記事が参考になった方は、ポチッとしていただけると筆者のやる気があがりますm(__)m

コメント

  1. A太郎 より:

    とても参考になりました。
    この記事そのままに取り組めば合格できそうな内容ですね。

    • A太郎さん、コメントありがとうございます!

      合格するまで実際に取り組んだことに加え「こうしておけばよかった…」という自身の反省点を補完してまとめた記事ですので、そのまま実践できれば合格確率が高まるかと思います。

      本記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです^_^

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