技術士二次試験(総合技術監理部門)、復習を兼ねて択一式問題を改めて解いていきます。
初回は経済性管理の8問!
エビデンスも探しながら記載していますが、もし誤りなどあればお教えいただければ幸いです。
なお、エビデンスについては論文や教科書などの確度の高いものまでは求めず、企業のホームページなども活用しています。
なお、択一式問題の概要については以下の記事をご確認ください。
経済性管理に関する問題(I-1-1~I-1-8)
経済性管理の範囲は、総合技術監理キーワード集に以下の通り整理されています。
事業企画,品質の管理,工程管理,現場の管理と改善,原価管理,
財務会計,設備管理,計画・管理の数理的手法
ざっくりいうとQCDのバランスを管理するのが経済性管理ですね。念のため、QCDはQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)です。
I-1-1 政策評価、投資評価
1問目は事業企画の分野から国の政策評価や企業等の投資評価に関する出題でした。
以下、問題文にメモを書き込んだものを掲載していますが、水色ハッチングしたところはキーワード集に登場するキーワードです。
私は①、③、⑤で迷い①にしましたが、正答は⑤です。
各キーワードを正確に理解できていなかったので、②は「すべて」効用関数、④は「常に」一致する、という表現が怪しいと判断して選択肢を絞りました。
これは本質的な対策ではないですが、適切なものを選ぶパターンの択一式問題では、出題者は正解らしい誤りを作り出さないといけません。しかもこの試験は5択問題なので、4つも誤りを作る必要があり、それを考慮すると、こういった怪しい表現から選択肢を絞り込むのも一つの戦術です。
もちろんこういった表現があっても正しい場合もありますし、そもそも本質的な対処法ではないので、試験本番で解けない問題が出てきた時の最後の手として使うことをお勧めします。
以下にこの問題に出てくるキーワードをいくつか整理しておきます。
回収期間法
回収期間法とは、あらかじめ設定された期間内に投資資金が回収できるか否かというルールで投資プロジェクトの採否を決める投資判断基準の1つである。
(中略)
回収期間法は、計算が単純で理解しやすいため実務上よく利用されている。ただし、設定期間後のキャッシュ・フローを考慮していない、設定期間中のキャッシュ・フローを全て等しく取り扱う、などの欠点があるため、投資判断基準に回収期間法のみを用いた場合、誤った判断を導きかねないことに注意が必要である。
みずほ証券×一橋大学 ファイナンス用語集
IRR(内部収益率),NPV(正味現在価値)
これらは頻出ワードなので、計算方法を含めて覚えておきたいです。
詳細は引用元のリンク先にありますが、NPVの計算方法は以下の通りです。
NPVがゼロになるときの割引率がIRRで、数値が大きいほど投資価値が高いと判断できますし、自社の資本コストより高ければ投資価値があると判断できます。
1問目、いろいろ調べていると整理に1時間以上かかりました。。
40問すべてに同じようにしているとキリがないので簡略化していこうと思います。
I-1-2 PFI(Private Finance Initiative)事業
2問目も事業企画の分野から、PFIに関する出題。正答は④です。
②や③に関して、事業方式は以下の図に記載のように英語で意味を覚えておくと記憶しやすいです。
上記リンクのQ13にVFM、Q11に事業方式(BTO,BOTなど)に関する記載があります。
I-1-3 品質管理の統計手法(<品質の管理>関連の出題)
品質の管理に関する出題。管理限界や工程能力指数、検査方法などについて不適切なものを選ぶ問題で、正答は①です。
管理限界値を設定することで異常を検知して規格値を逸脱しないように管理するので、規格値は管理限界値の外側に設けないといけませんね。
I-1-4 作業計画、日程計画
工程管理の分野から、作業の見直しの問題です。正答は③。
この手の問題はゆっくり時間をかけて(5分以上かけてもOK)図を書けば解ける確率が高いです。
得点源にしたいところです。
I-1-5 サプライチェーンマネジメント(SCM)・生産方式
現場の管理と改善の分野から、SCMや生産方式に関する出題。正答は②です。
選択肢④にあるプル型生産方式については、プル型・プッシュ型の言葉のイメージを持っておくと覚えやすいです(プル型:相手から引っ張られる。プッシュ型:自分から押しすすめる。)。生産方式以外でも使われるワードですね。
購買・調達プロフェッショナルスキル資格(CPP資格)のサイトに調達用語集があり、その中にSCMやTOC、かんばん方式など各種キーワードの概要が整理されていました。ご参考まで。
I-1-6 限界利益率・損益分岐点
原価管理の分野から限界利益率や損益分岐点、営業利益などに関する出題です。正答は⑤。
それぞれのキーワードの意味を理解できていれば、シンプルな計算問題になります。すべてのキーワードを理解できていなくても、絞り込むことができますね。
マネーフォワードのサイトの中にある会計の基礎知識についてのページが参考になります。
I-1-7 財務諸表
財務会計の分野からは、財務諸表(B/S,P/L,C/F)に関する記述から不適切なものを選ぶ出題。
正答は③です。
財務諸表に関しては総監技術士の対策というよりも、会社員の基礎知識として、技術系であってもしっかり理解しておきたいです。
という私も少し迷いながら③を選びましたので理解が不十分です。。簿記三級の勉強しようかな。
財務諸表に関する内容もI-1-6で触れたマネーフォワードのサイトが役立ちました。
ただ、この分野は体系的に整理された資料が多数あるので、簿記の参考書や一般の書籍などでしっかり勉強する方が確実かと思います。
I-1-8 設備管理
設備管理の分野からの出題で、正答は②です。
この問題、改めて考えてみたものの③と⑤が誤りであるファクトを揃えられず。。
②の記述が適切だと理解できたので正答には辿り着けましたが、やはり総監の問題は難しいです。
②について、保全費は毎期の費用である一方、設備の新増設等は資産を増加させる支出(資本的支出)であり、税制上、支出年度に費用として一括計上するのではなく、減価償却により複数年で費用計上するものなので保全費とは別物になります。
まとめ
以上、経済性管理に関する8問でした。参考になれば幸いです!
(独り言)
改めて一つ一つ解いていくと非常に時間がかかりました。。疲れた…
当初、人的資源管理以降の残りの4つの管理技術に対しても同様にやっていくつもりでしたが、ちょっとやり方を変えるかもしれません。
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